コンセプト

漁業を通じて、地域を活かす。

高校卒業後に関東で親戚が営む石材店にコネで入社して10年近く経った27歳の時です。
仕事に対して主体的にやりがいを持って打ち込む事ができずにモヤモヤしていた頃、一冊の本と出会います。
【そうだ、葉っぱを売ろう!】
内容は、過疎化が進み疲弊した山間部の田舎町で、主要産業である農業の生産量が頭打ちとなり人々の心が荒んでいく中、追い打ちをかける様に記録的な大寒波で壊滅的な被害を受けます。

営農指導員である一人の農協職員さんが農家の所得向上のために悪戦苦闘し続けた先に、今まで誰も気にも留めなかった山に自生する葉っぱを刺身などのお皿に飾る妻(ツマ)として販売するアイディアを思い付き、研究と改善を重ねて地域を代表する産業へと育て、高齢者(特に女性)がイキイキと働く元気な町へと発展させたサクセスストーリーです。

この本を読み大きな衝撃を受けた私は、本と同様に過疎化が進む故郷の新潟県村上市(旧山北町)にUターンして家業である漁業(漁船 昭和丸)を継ぐ事を決意します。
農協の職員さんが書いた本に感化されて漁師を目指すというのも変な話ですが、当時爆発的に広がっていたインターネットを一次産業の生産者である漁師が活用したら面白い事が出来るのではないかという考えも同時に浮かび、その可能性を信じ2010年から漁師となり昭和丸で父と日々漁に励みながら、ウェブサイト『漁師直送昭和丸』を立ち上げて自ら獲った魚の直販を開始しました。

職人の世界でもある漁師としては遅いスタートで、30代後半となった今でも一人前の漁師とは言えないかもしれませんが、漁も直販事業も情熱を持って真面目に打ち込むことで、たくさんのお客様とインターネットを通してご縁ができ、今までは感じる事ができなかったやりがいを感じています。

『漁師直送昭和丸の事業を通して地域の高齢者の雇用を創出して地元を元気にする!!』それが、設立当初から変わらぬ私の夢であり目標です。

『漁獲量の減少』『魚価低迷』『魚離れ』など、漁業の将来は暗い要素の方が圧倒的に多いです。しかし、それは既存漁業の固定観念にとらわれている事が原因だと感じています。

情熱を持って悩みに悩んで絞り出したアイディアが、いつか漁業の新しい価値を創造できると私は信じています。
漁師直送昭和丸は、地方の漁師が抱く漁業の未来の夢を応援してくださる方に喜んで頂ける様な、今までに無かった漁師だからこそ出来る新しいサービスを提供したいと考えています。

漁の手法

  • 電気一本釣り漁(セットまたは単品)

    夜間に漁火を焚いてエサとなる小魚を集めて本命の魚を一本釣りで水揚げする漁法。
    秋はサワラとサバを中心、冬は寒ブリを対象として、どれも脂がのった極上の高級魚です。

  • 延縄漁

    全長6キロメートルに釣り針を600本以上仕掛けて、どぐろ(アカムツ)を中心に狙う漁法です。
    水揚げ量は極端に少ないですが、最高級魚である新潟県ののどぐろブランドである『美宝』を水揚げしています。

昭和丸の取り組み

  • 季節ごとに旬の海の幸を産地直送
    漁船昭和丸

    ノドグロ、寒ブリ、ヤナギガレイ、南蛮海老、ズワイガニなど、色とりどりの豊富な海産物が水揚げされる新潟県。日本海の荒波が育む海産物はどれも魅力的なものばかり。
    そんな新潟県の北部に位置する村上市の寝屋漁港から船を出し、漁を行う昭和丸。
    自ら水揚げした海産物だけではなく、寝屋漁港全体で水揚げされた海産物を新鮮なまま最短ルートでお客様の元へお届けし、個人のみならず、飲食店やプロの料理人から厚い信頼が寄せられています。

  • チャレンジする昭和丸
    インターネットを通じた新しい試み

    自分たちで釣り上げた魚を港に卸すだけではない、新しい魚の売り方をインターネットや直売を通じて積極的に行っています。
    特に反響の大きいものが、昭和丸が直に届ける月に一度の魚の定期便。こちらは旬の魚を毎月詰め合わせセットでお届けするというもの。
    市内の海から離れた山間部に住む高齢の方や家事や育児が忙しくなかなか買い物に出かけられない主婦の方などから、徐々に注文数が増えていき、今では全国各地から定期便の注文が入っています。

メディア掲載実績

  • ※村上市報2012年7月号表紙にて昭和丸の岩牡蠣漁の様子が掲載されました。

  • ※2013年6月15日新潟日報夕刊にて昭和丸のツイッターを活用した直販の取り組みに関する記事が掲載されました。

  • ※JF全漁連の季刊誌『漁協』2014年夏号さかなびとのコーナーで昭和丸の直販の取り組みに関する記事が掲載されました。

  • ※2014年7月 テレビ朝日の人気番組『旅サラダ』にて山北の岩牡蠣を生中継でご紹介いただきました。

  • ※村上市報2014年8月号越後むらかみFOOD(風土)プライド食のモデル地域構築計画協議委員会の若手漁師インタビュー記事として掲載されました。

  • ※NHKインターナショナルの海外向け情報番組『シリーズ”働く日本の肖像2014”<最新技術で日本漁業の復権を>』にて昭和丸のインターネットを活用した直販の取り組みが取り上げられました。

  • ※村上市運営のサイト『いわふね米|日本一おかずに合うお米』にて村上市の産直生産者として紹介されています。⇒いわふね米サイト

受賞歴

  • 2013年10月

    JF全漁連全国青年・女性漁業者交流新潟大会にて昭和丸の直販の取り組みが評価され最高賞である優秀賞を受賞

  • 2014年3月

    JF全漁連全国青年・女性漁業者交流全国大会にて昭和丸の直販の取り組みが評価されJF女性連・JF全国漁青連会長賞を受賞

沿革

1968年
漁船『昭和丸』操業開始
2011年1月
Facebookページ『漁師直送昭和丸』設立
2013年10月
JF全漁連全国青年・女性漁業者交流新潟大会にて昭和丸の直販の取り組みが評価され
最高賞である優秀賞を受賞
2014年3月
JF全漁連全国青年・女性漁業者交流全国大会にて昭和丸の直販の取り組みが評価され
JF女性連・JF全国漁青連会長賞を受賞
2014年5月
『漁師直送昭和丸』魚介類加工販売事業設立
2015年11月
県内漁業の中核となる漁業者『漁業士』に県知事より認定
2018年1月
漁船・漁具の漁業者間個人取引応援サイト『漁師のミカタ』を起ち上げ
2020年12月
先代である父が亡くなり、昭和丸の船頭として新たな船出。
2025年3月
新たな漁船昭和丸に乗り換えて操業開始

概要

企業名
漁師直送昭和丸
漁船名
昭和丸
代表
本間喜昭
所在地
新潟県村上市勝木1159-6
事業内容
漁業・魚介類加工販売業
昭和丸