寒ブリとは?通常のブリと何が違う?旬・値段・有名産地を解説


水産資源に恵まれる日本を代表する魚と言えば「ブリ」ですね。

ブリは出世魚で、幼魚や若魚を「ヤズ、ワカシ、ワラサ、イナダ」など成長段階に合わせて各地で区別します。

全長70~80cmほどの成魚になれば「ブリ」と呼ぶのは全国共通です。

では、一年でもっとも美味しいと言われている「寒ブリ」の定義や通常のブリとの違いはどこなのでしょうか。

旬や値段、有名産地なども合わせてお届けします。

 

 

「ブリ」と「寒ブリ」の違いとは? 旬の始まりは“魚”から

大漁に水揚げされる寒鰤

野菜やフルーツなど一年でもっとも美味しい時期を「旬」と呼びますが、宮中晩餐の鮎から生まれた言葉だそうです。

近年では、冷凍技術や養殖技術が発達したことで、あまり旬を意識しないかもしれません。

しかし、天然の旬の物は栄養価が高く、味も格別です。

 

大根などの野菜が冬に美味しく感じるのは、寒さで凍らないように糖分を蓄えるためです。

同じように、一年中、食べられるブリですが、秋ころから越冬と産卵のために荒食い(エサを活発に食う状態)をはじめます。

その荒食いをはじめたブリが北海道から日本海を通り、大分~愛媛沖の豊後水道、九州の玄界灘や東シナ海まで南下します。

脂がのりにのったブリが南下してくる時期は、11月末ころです。

この11月末~2月はじめまでの時期に水揚げされる丸太のように肥えた“天然の親ブリ”のことを「寒ブリ」と呼びます。(※地域によって水揚げされる時期は変わります)

以上のように、漁獲された場所で「寒ブリ」か「ブリ」かが決まるのではなく、時期で決まります。

また、養殖されたブリは全国的に「はまち」と呼ぶことが多いようです。

寒ブリとブリでは、まず見た目が全く違います。

脂がのりに乗った寒ブリは、見事なまでデップリとした丸味を帯びた体型です。

夏場のスラッとした痩せたブリとは似て非なるフォルムです。

そして、脂のサシが違います。

一般的なブリはお腹の部分のみ脂が乗っていますが、寒ブリは背中までサシが入ります。

しかも天然物は、うま味たっぷりの脂が乗っていますが、身はしまっています。

この身の締まり具合が、食べたときの口当たりを心地良くしてくれます。

寒ブリとブリとの違いは、「霜降り肉と一般的なお肉ほど」味の差があると言う人もいます。

 

 

寒ブリの値段相場・日本全国の中から有名産地をピックアップ

寒鰤の産地を知る

一昔、寒ブリは築地市場の卸価格1kg10万円で取引された物があるそうです。 現在では、産卵を終えた4月を最安値にピークの12月と4倍ほどの価格差があります。

年末用に購入するときの値段相場(天然物)は、

6kg…20,000円 7kg…26,000円~30,000円 8kg…32,000円~40,000円 10kg…50,000円~

※卸価格ではなく市場価格(販売)です。通販やECサイトから平均値を算出しています。 一家族でお正月に十分な寒ブリ1本(5kg)あたり12,000円以下で購入できるとかなりのお買い得と言えるでしょう。

また、お歳暮やお正月用に需要が最盛期を迎える寒ブリは、日本海(北陸)や四国、九州で主に水揚げされています。

その中で有名産地は、

富山湾(氷見漁港)…「ひみ寒ブリ(氷見ぶり)」のブランド名で有名。富山湾周辺でとれるブリを「越中ブリ」とも呼びます。高値で取引されています。

佐渡…両津湾内の大型定置網で漁獲されます。「佐渡一番寒ブリ」が有名で、船上での血抜きなど扱いにたけ、鮮度抜群です。「雪起こし」と呼ばれる雷が鳴り出すとシーズン到来。

愛媛宇和島沖…養殖ブリで有名ですが、天然物も味がいいと評判です。

福岡県玄海島沖…サンマを追う(主食にしている)寒ブリの味は格別です。地元の漁師さんは寒の時期のブリを「姫ぶり」と呼んでいます。

長崎壱岐、五島…10kgを超える大型のブリも珍しくありません。その大型サイズでも背中にたっぷりの脂が乗ります。まさに冬の風物詩です。

鹿児島甑島(こしきじま)…“鹿児島ぶり”と言えば、全国一の養殖量を誇りますが、天然物も評判です。とくに甑島で漁獲される産卵を控えたブリは、“桜ぶり”、“青山ブリ”と呼ばれ知る人ぞ知る美味しい魚です。

 

これらの寒ブリ有名産地に負けず劣らずの高品質な寒ブリを水揚げしているのが、新潟県村上市寝屋漁港です。

夜間に漁火を焚きながらブリの餌となる小魚を集めて本命である寒ブリを最も魚に負担がかからない一本釣りで釣り上げます。

小さな港のため、漁船の数も少なく有名産地と比較して水揚げ量が圧倒的に少ないですが、知る人ぞ知る極上の寒ブリの産地です。

 

知名度がまだない今だからこそ、お得に寒ブリが購入可能です。

 

 

寒ブリに関してまとめ

最大級12キロの寒ブリ

ブリと言えば、出世魚として縁起のいい魚です。

九州などでは、その縁起のいいブリが一番美味しくなる「寒ブリ」を手に、お婿さんがお嫁さんの実家へお正月のあいさつに行く風習(嫁ブリ)があるそうです。

嫁にだしたお父さんも寒ブリの美味しさにはかないません。

笑顔でお婿さんを向かい入れ、親族一同、にこやかに食卓を囲み、お酒がすすみ会話も弾みます。

寒ブリは刺身だけでなく、しゃぶしゃぶ、お雑煮の具材としても最高です。

1本買えば、カマの焼き物、照り焼きにも。白子が入っていればポン酢でおつまみに。真子は煮付け。腕に覚えがあれば、お寿司もおすすめ。

冬の寒い時期「寒ブリ1本」を囲めば、家の中では温かい時間が流れます。

 

 

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